記事のアーカイブ
創世記から
2018年02月04日 10:00
創世記によると、人にはしてはいけないことがある、それは〈善と悪を知る知識の木の実を食べること〉、これだけはしてはいけない。ここで何が言われているのか。〈善と悪を知る知識〉は次の場合にだけ用いられている。国家の長の王を褒め称えるとき。〈善と悪を知る知識を持っている〉、これは国家の長を讃美するときの最高の句であった。そうすると、創世記の言う〈善と悪を知る知識の木の実を食べてはいけない〉は、〈国家の長を讃美することはしてはいけない〉という意味となる。ここで何が言われているのか。国家が国家の長を讃美するとき、国家には意図がある。それは国家の統合を強めるという意図。国家は国家の統合を強めるとき、国家の長
「水」
2018年01月07日 10:10
1章6~8「神は言われた。『水の中に大空あれ。水と水を分けよ。』神は大空を造り、大空の下と大空の上に水を分けさせられた。そのようになった。神は大空を天と呼ばれた。夕べがあり、朝があった。第二の日である。」創世記の原初史物語はここから天と地の創造について語り始める。物語作者は、神は「大空(おおぞら)」を創造し、これを「天」と名付けたと語る。この「天」と名付けられた「大空」は、物語のここの叙述から言い得ることは、「水」を置く場所として創造された。物語のここの叙述からすると、「水」を置く場所が上方に造られ、下方に造られた。下方はこの後にしるされる「海」のことであるが、上方は「天」(大空)である。つま
風 刺
2018年01月07日 10:00
〈土人〉という言葉は差別語であるが、〈土〉と〈人〉の間に〈の〉を入れると、〈土の人〉となり、これは聖書が人間を言い表すときの言葉となる。それが出ているのは聖書の初めにある創世記である。その創世記によれば、人間は〈土〉で造られた。〈土〉という言葉で意味されていることは〈こわれやすさ〉。創世記が人間は〈こわれやすい〉ものと語るとき意図があった。時代はソロモン王統治のとき、国は栄華を極めていた。それは国が武力によって周囲の諸民族を鎮圧したことによって得られた。国が栄華を極めるために必要な武力は〈強い者〉が担うのであって、〈こわれやすい者〉は役に立たない。創世記が人間は〈土で造られた者〉すなわち〈こわ
「主権」
2017年12月05日 10:12
ここで、1章4~5にしるされているところにあらためて注目してみる。「神は光を見て、良しとされた。神は光と闇を分け、光を昼と呼び、闇を夜と呼ばれた。」原初史物語における神の創造行為は第一日から第七日に及ぶが、そのそれぞれに「分ける」が出てき、そして分けた後、そこに分けられた双方のものに「名を付け、その名を呼ぶ」がなされている。第一日目は「光・闇」を分け、第二日目は「空・海」を分け、第三日目は「陸・海」を分け、第四日目は「太陽・月」を分け、第五日目は「空と海の生き物を種類」に分け、第六日目は「陸の生き物を種類」に分け、さらに人を「男・女」に分け、第七日目は「安息の日とそうではない日」を分け、このよ
クリスマス礼拝へのお誘い
2017年12月04日 19:11
12月3日からアドベントに入りました。クリスマス礼拝のお知らせです。日時:12月24日(日)10:30~メッセージ:「しるしが与えられる」愛餐会:12:00~どなたでもご参加ください。今年はイヴ礼拝はありません。
共 鳴
2017年12月03日 10:00
今号は、福島県在住の作家・僧侶の玄侑宗久とおっしゃる方の文章(購読の新聞に載っていた)を紹介する。その文章の題は「無熱の慈しみ」。これは『維摩経』(ゆいまきょう)という経典に説かれており、意味は「反転して憎しみに転じることのない菩薩の慈悲心」のことであるとのことである。わたくしはこの「無熱の慈しみ」と題する文章におおいに共鳴した。それを書いてみる。北朝鮮のミサイル発射の知らせと同時に児童全員に防空頭巾をかぶらせ逃げる訓練をさせている小学校があるのだが、そこの先生によれば、児童の半数ちかくが「北朝鮮なんてやっつけちゃえ」的な言葉を口にするようになったという。そこで、玄侑宗久僧侶はこう書いておられ
創世記4章の物語
2017年11月05日 10:00
今号は創世記4章の物語を引いてみることにします。動機はその後にしるすことにいたします。創世記4章の初めには兄のカインが弟のアベルを殺すことがしるされ、後段のところにはカインの末裔のレメクが「わたしは傷の報いに男を殺し打ち傷の報いに若者を殺す」、つまり加害者には報復としてその者を殺すと詠ったということがしるされています。ここには〈報復戦争〉の肯定が述べられていると言ってよいかとおもいます。ここで創世記4章の中段にしるされていることに留意する必要があります。そこには殺人者カインに対する報復を禁じる神の言葉がしるされ、こうあります。「主はカインに出会う者がだれも彼を撃つことのないように、カインにしる
「時間の創造」
2017年10月08日 15:18
1章3「神は言われた。『光あれ。』こうして、光があった。」 原初史物語の作者は、神の「地」の創造の働きは「光」の創造から始まったとしている。物語作者はここで何を語ろうとしているのか、考えてみたい。それを考えるために、この後に続けてしるされているところをみてみる。1章4~5「神は光を見て、良しとされた。神は光と闇を分け、光を昼と呼び、闇を夜と呼ばれた。夕べがあり、朝があった。第一の日である。」 ここには、神は光の創造の後、光と闇の間を分けたとある。そして、神は光を昼と呼び、闇を夜と呼んだとある。そうすると、光の創造は「昼」ができることであり、「夜」ができることであるということ
今年の平和賞
2017年10月01日 10:00
今号は次のことを記さなければならない。今年のノーベル平和賞は「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」に贈られる。拠点をスイスのジュネーブに置いて世界の各地で核兵器廃絶の活動を展開。平和・軍縮・人権に取り組む470ほどの団体(100カ国に及ぶ)が参加。国連は7月に核兵器禁止条約を制定することを122カ国の賛成を得て採択したが、ICANはこのことに貢献したことが評価された。報道によるとICANのフィン事務局長は記者会見で「広島・長崎の被爆者は核兵器禁止条約制定の重要なプレーヤーだ。被爆者は1945年以降、原爆による悲惨な体験を語り続け世界に知らせてくれたことが核廃絶運動にとって非常に役だっている
小座野八光講演会のご案内
2017年09月12日 15:52
わたしたち中野桃園教会の会員である小座野八光氏は、インドネシア、アジアについての研究者です。この講演会の方向としては、日本の教会の過去の歴史を踏まえ、日本のキリスト教会とインドネシアのキリスト教会との関りを知り、今日の私たちの課題を提示していただくことにありますが、今回はインドネシアのキリスト教について重点を置いて講演していただくことにいたしました。皆様のご参加をお待ちしております。この講演会にはどなたでもご参加いただけますので、お知り合いやご友人に興味のある方がいらっしゃいましたらぜひお誘いください。(参加費は不要です)*日 時 2017年 10月8日(日) 14:00~16:00*場 所
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