「祝いの風」(2020・秋)
『祝いの風』
皆様いかがお過ごしでしょうか。牧師の縣洋一です。夏の熱風がすっかり秋の爽やかな風に変わってきました。そんな中、中野桃園教会では2つの祝いの時を持つことができました。一つが「長寿を感謝し祝う会」。もう一つが「牧師就任式」です。
9月20に行われた「長寿を感謝し祝う会」には、80歳以上の対象者18名のうち3名の方が礼拝にご出席され、共に祝いの時を持ちました。メッセージは「風と共に立ちぬ」。何だか映画のタイトルを思わせる題ですが、75歳にして新しい旅に出発することができたアブラハムの心境を探り紐解きました。(モーセに至っては80歳!)礼拝後には花束が贈られ、それぞれの信仰の旅路をお聞きすることができ、その人生の節目節目に、一歩を踏み出させたさわやかな「風」が吹いていたことを知る良いひと時となりました。
「牧師就任式」は10月11日に行われました。台風14号が関東上陸という時でしたが、なんと名古屋からこの就任式のために来て下さる教会員がいるとの知らせを受け、まさに喜びの「風と共に来たりぬ!」。式は西東京教区議長の願念望牧師の司式で行われました。今回は、新型コロナウイルスのこともあり、教会員と教会関係者のみで行いましたが、前任の下田洋一先生、荻窪教会の小海先生ご夫妻を始め10名の来賓の方々が来られ、また前任地蒔田教会の有志の皆さんがお花を贈ってきて下さりました。神学生時代に実習で訪れた稚内教会からの手紙には、「消しゴムスタンプ」(牧師報のタイトルもそれです!)のことが触れられており「縣牧師の消しゴムスタンプのように教会の皆様と共に中野の地で新たな福音の『印』が刻まれますようにお祈りしております」との言葉に大きな励ましを頂きました。最後に「腹話術」をお見せすることもでき午後には晴れて、宝塚顔負けの「大階段」で喜びの記念写真も撮ることができました。式で歌われた98番「みどりの牧場に」は、按手礼を受けた時に歌った思い出深いもので、この歌を歌いながら、中野桃園教会が「一匹の羊を探し求める場」となり、「憩いの水場」となるよう励むことを、心に誓わされたひと時でした。
さて、私がこの教会に来て「これがあったら楽しいなあ!」と思って、早速植えたものが「オリ
ーブ」です。オリーブと言えば、この教会のモチーフにもなっている「ノアの箱舟」。創世記8:11
の「見よ、鳩はくちばしにオリーブの葉をくわえていた」との記述はまさに感動的で、陸地を告げるオリーブは「希望の象徴」として描かれています。驚くべきは、その実の付け方!「同じ種類」の花粉だと受粉しないそうなのです!「違ったもの」でなければ実らない。「忖度」や「同調圧力」という言葉が幅を利かせる中「そんなものどこ吹く風」と「違い」に徹するオリーブにあっぱれです。聖霊は「風」とも「息」とも訳せる言葉。風がもたらしてくれる「意外な」秋の実りを、これから私も楽しんで参りたいと思います。