共生の社会へ
新聞報道ではこの国の政府は外国人労働者の受け入れを拡大するため入管難民に関わる法を改訂しようとしている。政府の説明では、移民を考えておらず労働力の導入というものである。
移民を考えていないとはどういうことであるか。それは、国籍権は与えない、永住権は与えないということである。ということは、憲法の保障する基本的人権の内に置かない、その外に置くということである。
ということは、その方々が労働力にならないことになってしまった場合、たとえば病気になったり、交通事故に遭遇したりして働けなくなった場合、その方々をそれぞれの国に送り返すことになる。これでは「使い捨て」をするということになる、そういうことではないのか。この国はこういうことをしてよいのか。
ここで話を具体的なものにすると、高齢のわたくしはそう遠からず介護をしてくださる方を必要とすることになる。そのときその介護をしてくださる方が外国人であるということは十分考えられる。
そのとき、その介護をしてくださる方が憲法の基本的人権の保障の外に置かれているとしたら、その介護を受け続けてゆくことはできない。わたくしの介護者はわたくしと同じく憲法の基本的人権の保障の内に、すなわち、その方は国籍権がみとめられ、永住権がみとめられなければならない。
これは介護を担う方々だけでなく農業や建築現業を担っている方々、すなわちみんなの生活を担っている方々全てにあてはまることである。
わたくしは生活を共にしつつ働く外国人が増えることを歓迎する者の一人。それゆえに言わなければならないのだが、
この国の政府は外国人を労働力として受け入れるが移民としてではないという。ここには「人」を「物」として扱うという根本的な間違いがある、と言わなければならない。