季刊ももぞのだより冬号のお知らせ
季刊ももぞのだより2024年冬号ができました。クリスマスの教会の様子が伝わりましたら嬉しいです!
『慰めの音』
みなさんいかがお過ごしですか。牧師の縣洋一です。教会はクリスマスの時を過ごして参りました。毎年礼拝堂に飾っている「もみの木」ですが、昨年の夏の暑さで枯れてしまい、近くの園芸店に問い合わせてみたところ、なんと「1本だけ残っていますよ!」との驚きの知らせを受け、今年も恒例の姫リンゴをぶらさげながら、もみの木を囲みクリスマスの時を祝うことができました。
今年は、降誕記念礼拝とイブ礼拝が同日に行われるという珍しい年でしたが、一つのこだわりをもって臨んだのが「音」です。今、本当に暗いニュースに包まれている私たちですが、しかし聖書のクリスマスの記事は、その夜空に天使たちが歌声を響かせ、救い主の誕生を告げている場面が記されています。暗闇の真っただ中に、喜びの知らせ(音)が届く。この驚きを何とか伝えたいと考えた時に、「あっ、そうだ」と思いついたのが、「鐘」と「ラッパ」の音です。
前任地横浜の古道具屋で購入した船の鐘を持っており、また奇しくも教会員で元船乗りの方がおられ、更にトランペットを吹ける方がおられることを思い出しました。この音をクリスマス礼拝の開始に用いられたら!早速お二人にお願いし快諾を頂き、迎えた当日!教会の扉からいかにも船乗りの打ち手らしい鐘の音が3回鳴り響き、それに続いてラッパの音が響き渡りました。この音を「一言」で表すとすれば「慰めの音」。奇しくも説教の中で、バビロン捕囚という暗闇の真っただ中、あきらめの境地に達している人々に向かって預言者イザヤが「慰めよ、慰めよ、」と何度も繰り返しながら神の言葉を告げ知らせた場面を取り上げ語りました。この「慰め」という言葉。ヘブライ語の語源を辿っていくと、「深く息を吸い込む」という意味にたどり着くのです。
主イエス・キリストの誕生日は、暗闇が最も深い日である「冬至」に定められました。まさに、音を消そうとする暗い世の中にあって、その闇を吹き払う「慰めの音」が届いていることを世に告げる時となりました。リハーサルの合間に、私は生まれて初めてトランペットを吹く体験をさせてもらったのですがコツがあり、唇をリラックスさせて「唇を振動させる」ことだと教えてもらい、世とは真逆の感覚の楽器であることに驚かされました。力強くではなく、「緩めなければ」出ない音。だからこそ、人を慰める音になるのだと知りました。
1月1日に能登半島沖で大きな地震が起こり、多くの方々が亡くなり、未だライフラインは復旧できない状況が続いています。また、パレスチナ・ガザ地区においても、多くの一般市民、子ども達が犠牲になり、未だ支援物資が届かず深刻さを増している現実にいたたまれなくなります。今年はクリスマス平和献金で、毎年の「会津放射能情報センター」に加え、「ガザ地区被災者救援」にも献金を集めお送りしました。能登半島の方々への募金もこれから集めていくことになると思います。私たちには限界があり、ごく小さなことしかできませんが、しかしそれを大きく活かして下さる主に信頼し、「手を大きく開き」(申命記15:11)慰めの音に押し出され、平和を祈り求めて行きましょう。